2010年7月27日火曜日

Icy Strait 1



カヤックを漕ぎ始めて7日目、ザトウクジラがアラスカで夏一番集まる場所として知られるポイント・ドルフィスに到着。キャンプを張り、朝食後にノンビリしていると、目の前で突然クジラのショーが始まった。
クジラが跳ね上がり、ドドーンという音と大きな水しぶきと共にまた海に姿を消す。その音は、まさに打ち上げ花火。クジラを観察しに寄ってきたモーターボートの前で、尾を何度も何度も海面に叩き付け出だしたクジラ。その回数16回。
目の届く範囲で、数え切れないほどのクジラが跳ね、潮を吹き、ダイビングしながら悠々と泳いでいく。私たちはここに停滞した2日の間、クジラの鳴き声を、彼らが作り出す音を聞きながら、海の広さ、深さ、そこに生息するマリーン・ライフの豊かさを実感しながら圧巻の時を過ごした。

2010年6月28日月曜日

Packing


いよいよ明日、南東アラスカ、Icy Straitへのシーカヤックへの旅に出発、、、ということで、今、旅の最終パッキング中。これから14日間分の装備と食糧を計算し、リストを作り、買い物し、ドライフルーツを作り、、、と結構な時間がかかります。今まで何度となくやってきたことだけど、毎回ちょっとした緊張感があるもの。
服装はあらゆる気候を想定して。セイフティの装備もあらゆる危険性を考慮して。食事はお互いが楽しくて嬉しくなるような工夫したものを。デザートまで、しっかり準備しました。
シーカヤックに積めるだけのミニマムの装備で、マキシマムの楽しみを、、、。あとは、アラスカの自然とクジラがしっかり私たちをエンターテインしてくれることでしょう。
では、行ってきます。


2010年6月10日木曜日

Adventure




Are you doing any trips this summer?
「今年も何か旅の計画がある?」
これは、春先に必ずと言っていいほど交わされる、友人たちとの会話。
4月の私の回答は、「多分ね。きっと何か計画されると思うよ」という呑気なもの。
5月、食事中に友人のSteveから「Icy Straitをシーカヤックで旅しないか?」と提案される。
そして6月、一緒に旅することになった仲間で集まり、計画会議。

こうして、毎年のように必ず冒険ともいえる旅が生まれる。

地図を持ち、私の家に集合した友人たち。
「ここの入り江に1泊して、、、」「ここは外海で風が強いと危険だから、停滞日も一応設けて、、、」と、わずか2時間余りの集まりで、ルート、装備表、食事の計画まで全て終了。なんとも手際がいい。

私がいつも感謝するのは、こういう技術、経験を持った友人たちが周りにいること。彼らに誘われて、こうしてプライベート・トリップで冒険できること。一緒にワクワクできること。

昔、夏といえば、仕事、仕事、仕事。仕事が楽しいからいいけれど、それでもある時、自分がユーコンに住む意味を考え、毎年夏に必ず1本は友人たちと旅することに決めた。自分がここの自然に完全に浸れたと感じるのに必要な期間が最低で2週間。2週間あれば、自然の奥深くまで入り込んで旅ができる。

今年私たちがシーカヤックで旅するIcy Straitは、南東アラスカにあるグレーシャーベイ国立公園の近くで、約10年前に一度ツアーのアテンドで漕いだ経験がある。長期の旅で同じ場所に2回も行くのは珍しいけれど、今回はルートを変え、前回よりも更に長い旅をする。ここは、6月の下旬から7月上旬にかけてザトウクジラがアラスカでも最も集まる場所。10年前、テントで寝ながらクジラが飛び跳ねたり、潮を吹いたりするのを聞いた記憶がよみがえる。

こうして地図を眺める時間にも、想像する間にも、装備表をチェックしている時にも、もう私たちの旅は始まっている。心はアラスカの海に向かっている。

ああ、その前に12年ぶりにカナダに来てくれる両親との旅。今回は母の希望でまずバンフに行き、その後でユーコンとアラスカ。私の家に両親も初滞在です。では、ちょっと、行ってきます。

2010年5月21日金曜日

今季初カヌー




今年はいつもより1ヶ月ほど早く春が来た感のあるホワイトホース。当然初カヌーも例年より1週間早く実現し、先週末友人たちとホワイトホース郊外を流れるユーコン川の支流、タキニ川へ。

まだ岸辺に雪が残る川。パドリング・ジャケットの首を締め付ける感じ。ネオプリンの匂い。ボートを担いだ時の重み。パドルの感触。全てに「来た来た来たー!」と叫びたくなる。

川底が見える、透き通った流れ。エディを見つける度に友人とターンし、「ああ、体がちゃんと覚えてます」ことを確認する。

元々、運動神経も要領もあまり良くない私が、人生の中で唯一と言っていいほど淡々と続けてきたスポーツが、このカヌー(今は、スキーもその候補、、、)。ただ、私の興味は常に「旅」にあり、もっと面白い川、自然の奥深くを流れる川を下るために技術や経験を付けてきただけで、レースや大会とかいったものへの関心は皆無。こうして気の合う友人たちと川の流れを楽しみ、時に下るルートを協議し、挑戦し、ノンビリするのが楽しくて仕方ない。こうした時間を過ごすと、自分の暮らす場所が本当に好きであることを自覚し、感謝できる。

私たちのお気に入りのランチ・スポット。山、川、カヌーを背景にくつろぐ友人たちの姿を見て、自分の居るべき場所はここだよなと感じ、本当に嬉しくなった。

今年も、漕ぎます。

2010年4月29日木曜日

View


この時期、ホワイトホースの日照時間はグングン延びます。

日によっては、1日あたり6分。目を見張る変化です。


ベッドに寝た状態での目の高さに設置したベッドルームの窓。朝、目覚めた時に最初に見る風景。山とスプルースというのは、ユーコンの象徴的な景色です。


一昨日、窓から射し込む光に目を覚ますと、空が真っ赤に燃えていました。

時間を見たら、午前5時。しばらくその色を楽しんだ後、「また、寝付けますように」と目を瞑って祈りました。


毎朝、この風景を楽しみにしています。

ただ、暗くないと眠れない私。夏に向けていつまでカーテン無しでいけるかが疑問です。これは、今年の新しいチャレンジかも!?




2010年4月24日土曜日

The Last Backcounty for the Season












日本から帰って2日目。まだ時差ぼけでダルイ私に届いた友人からのメール。
「ロートン氷河への2泊3日のバックカントリー・トリップにおいで」

日本で美味しいものをたらふく頂いてきた上、運動不足でもある体に、いきなりこの旅はどうか、、、とも思えたけれど、恐らく、これが今シーズン最後のバックカントリー・スキーの機会。しかも、去年から仲間内で話題にでていたロートン氷河。とりあえず「行く」と返事し、土曜から月曜にかけての予定のため、戻ってきていきなりだけれどと、仕事先に1日の休暇を申請。まだスーツケースも片付いていないのを横目に、寝袋などを引っ張り出してザックに詰めこみ、バタバタと出発。

予想通り、下の方はもう殆ど雪がなく、所々スキーをザックに縛り付けて歩かなければいけなかったけれど(これが非常に重いし、森の中ではバランスを取るのも難)、久々に北の景色と空気を堪能。「帰ってきた」実感が湧く。

テクテクとスキーブーツで、スノーシューで、スキーで歩き続けて8時間。目的の氷河はどっしりと構えた姿で私たちを待っており、所々キラキラと青く輝いていた。

日本で、「ユーコンは日本の面積の1.3倍で、そこに人口が3万人ほどしかいないんですよ」と繰り返し話をしてきた私。でも、このスケールと感覚は、やはりここに実際に自分の身を置いてみないと分からないかもしれないと思う。

これで、名残惜しいけれど今シーズンのスキーは終了。次は、ロードバイクを引っ張り出し、その次がマウンテン・バイクで、5月下旬にパドル、、、。夏がやって来ます。

2010年2月25日木曜日

発展途上

今、寝る前に読んでいるのは小澤征爾著の「僕の音楽武者修行」。
音大を出た小澤さんがスクーターと共にヨーロッパに渡り、フランスで生活しながら指揮者としてのキャリアを築き始めるところから物語は始まります。

以前、沢木耕太郎さんの本の中で、「自分より若い人の書いた本を読まない」というようなことが書いてありましたが、考えてみたら、私もそう。ただ、だからと言って私は、色んな分野で活躍していたり、大成した人々のその成功の話ではなく、その人たちが若かりし頃に悩み、模索し、行動を起こしていったその「過程」を読むのを好みます。

野田さんの本で一番好きなのは「新 放浪記」、植村さんは「青春を山に賭けて」、沢木さんは「深夜特急」。立花隆の「青春漂流」も大学を出る頃に夢中で読んだ記憶があります。

植村さんを題材にした映画でも、演じているのは西田敏行にも関わらずすっかり感情移入し、植村さんが「僕も皆みたいに仕事を持って生きていった方がいいのか」というような台詞を言った時には、「植村さんみたいな人でも悩んだんだ」と、若かりし当時、「アラスカに、北に帰りたい」という思いと、就職した方がいいのだろうかという迷いの狭間にいた私は、もう涙が止まらなかったのを覚えています。

しかし、そんな「悩める時代」をとっくに通り過ぎているべき(「べき」という言葉はあまり好きではないですが)年齢に達しても、相変わらず発展途上のストーリーに魅力を感じ、「うん、うん」と頷いている私は、どこかまだ成長しきれていないのか、、、。高校時代に先生に言われた「熊谷は夢見る夢子だから」という言葉が思い出されます。

もっと合理的に、賢く、ちょっと計算して要領良く生きなきゃと思いつつ、、、。
昨年、沖縄を旅した際に出会った波照間島に暮らすおじさんの言葉。「自分の本質に逆らっては生きられないんだからな」。

「自分」と「自分の芯」にもう少し自信と信頼を持てたら、また、昔のようにふっ切れるのかもしれません、ね。

*それにしても、ハードコアな「男の人生」ばかり読んでますね、私は、、、。本棚に、女性作家の書いた本が殆ど無いというのも、いかがなものでしょうか、、、。