2009年6月24日水曜日

Bike Relay








  先週末、毎年恒例の「クルアニ・チルカット・インターナショナル・バイク・リレー」が開催され、友人たちと参加してきた。
  コースは、ホワイトホースから西へ約154キロ、ヘインズ・ジャンクションというクルアニ国立公園の玄関口でもある町から、クルアニ、タッチンシニ・アルセックという、ユネスコ世界遺産に指定されている公園を抜ける超絶景のハイウェイを走り、アラスカのヘインズという港町までの238.3キロ。これが8区間に別れており、ソロ、2人、4人、8人というカテゴリーのチームで走り抜ける。
  私たちは、6人のチーム。友人のジャレットが2区間を担当する。私は7区の担当で距離は37.5キロ。カナダとアラスカの国境を自転車で越えたくて、この区間を選んだ。前半の区間は山のアップダウンが激しく、後半はアラスカの海からの風に立ち向かいながら自転車を漕ぐことになる。
  この自転車レース、なんと参加者1200人規模。朝からお祭りムードで、シリアスな人たちはかなり真剣にレースに取り組むけれど、後は、「とにかく楽しもう」というムードの参加者たち。私たちのチームも「海賊」のテーマの下、おそろいのストライプの靴下を履き、自転車には海賊の旗を立てて走った。沿道ではチームのメンバーが海賊のコスチュームを着て応援してくれる。
  最近は皆の乗る自転車もどんどん高級化、高速化してきているけれど、私が乗っているこの自転車、大学時代にアルバイトのお金をはたいて買った一品。福岡は地元久留米の小さな自転車屋さんでフレームをオーダーメードして作ってもらった物で、大学時代に旅のために普段からケチケチ生活する私の足だった。カナダに移ってからも、どうしてもこの自転車をあきらめきれず、ある時飛行機に乗せてユーコンまで持ち帰り、そして未だに乗り続けている。このリレーにこの自転車で参加するのも3回目。時々、古い自転車に目を留めて「おっ。いい自転車に乗ってるねえ」と声をかけられることもあったりする。
  さてさて、「リラックス・チーム」であるはずの私たち。でも結果は8人チームのカテゴリーで75チーム中13位。以前は2位になったこともある。私は遅いけれど、私の友人たちは基本的に普段からの鍛え方が違う人たちなので、「順位なんて気にしない」と言いつつも、速いんですね、やっぱり。
最後はヘインズの海を眺めながら、アラスカン・ビールで乾杯。運動した分のカロリーをしっかり取り戻す夜を過ごしました。



2009年6月12日金曜日

Rivers




5月の4週目から、毎週末、カヌーを漕ぎまくっています。

毎週末というのは、土曜も、日曜も、とにかくカヌー、ということ。

1週目は、肩慣らしにタキニ川へ。この川は、練習に適当なエディが数々あり、途中、ロックガーデンや通称「ジョーズ・オブ・デス(死への入り口!)というクラス2-3(水量による)の短い瀬があり、遊べる川です。地元民に人気があり、ホワイトホースから日帰りで漕ぎに行くことができます。

2週目は、少しレベルを上げてウィートン川へ。この川は、クラス2の瀬が2時間ほど続きます。川幅が狭く、倒木などが川に横たわっていることがあるので、更に技術が必要になります。この川は、私の大のお気に入り。川も面白いし、何しろウィートン・バレーの景観が素晴らしく、何年、何回通っても飽きることのない川なのです。


3週目は、かなりのステップ・アップでクルアニ国立公園を流れるキャスリーン川へ。友達が友達を誘い、なんと15人のグループ。この川は、途中に滝、そしてクラス5レベルの渓谷があるため、どこでカヌーを止めるかをきちんと知っておくこと、(また、その場所できちんとエディに入る技術があること)、そして9時間クラス2-3の瀬を漕ぐ技術と精神力があることが条件になります。


この日、私たちも朝11時に漕ぎ始め、終了したのは夜8時。。。グッタリするかと思いきや、皆、満足感でこの笑顔。好きなんだなあ。






2009年5月26日火曜日

五郎さん


東京に住む仲良しの男友達Yから、家の建築の経過報告のメールへの返事が来た。
「なんかさ、本当に五郎さんみたいだよね」

この五郎さんというのは、当然「北の国から」の五郎さんなわけで、ファンの彼からしたら褒め言葉なんだろうけど、30代、女盛り(?)の私としては、五郎さんと呼ばれるのはどうだろうと、田中邦衛の顔を思い浮かべなら、ちょっと首を傾げてしまった。

次に頭に浮かんだのは、「野菊の墓」。あの小説の中で、民子は政夫という青年に「野菊のような人だ」と言われる。私も、例えられるなら「五郎さん」より「野菊」の方がいいよなあ。

でも、長靴履いて、シャベル・カーに乗せてもらって嬉しそうにしている我が写真を眺めると、やはり友人のコメントの方がはまる。まあ、仕方ないか。

2009年5月21日木曜日

水を探す







ドライブ・ウェイを入れて、電気を引いてきたら、次は井戸を掘ることになる。今日は、その準備として「水脈」を探してきた。

こちらには、「ウィッチーズ・トリック(魔女のトリック)」というものがあることを最近学んだ。ワイヤーやウィローの木の枝を持って森を歩くと、水脈のある所でワイヤーが回ったり、枝がしなるので、そこを掘るといい、、、というのだ。「はあ?」、、、花さかじいさんじゃあるまいしと、最初はかなり半信半疑だった私。すると、友人のマイクが「僕が見せてあげよう」と言い、早速、私の土地に来てくれた。
彼は、ハンガーを崩したような普通のワイヤーを2本と、不思議な棒を2本持って現れた。そして、彼がそのワイヤー片手に1本づつ持って歩き回ると、、、本当に、途中でクルリと両方が同時に回った???。もう少し歩くと、また、回る。目を見張る私に、「同じ場所を歩いて試してごらん」というので、ワイヤーを持って歩くと、確かにマイクと同じ場所で急にワイヤーがクルリと向きを変えた。

次に、ワイヤーが回った場所に立ち、棒を手にしたマイクが「頭にきれいな水を思い浮かべるんだ」と言い、目を閉じると、その棒が静かに上下に動きだした。「回数を数えて」と言うので、心の中で静かにその上下する数を数えると114回でゆっくりと動きが止まった。これは、地表から水脈までの深さだそうで、114フィート、ということなのだそうだ。

本当に、ビックリ。これは、科学的なことではなく、どちらかと言えばスピリチュアルな行為なので、信じる、信じないは人によるけれど、井戸を掘る人の殆どがマイクのような人を頼りにして場所を決めるそう。私も、目の前で見たら「もう、ここしかない!」という思い込みが生まれ、広大な土地にて井戸の場所を決定。折れた枝を立て、目印に石を置いたその場所が、とても特別な場所に思われた。

正直、「井戸を掘る」というのは博打に近い。何せ、掘る深さによって料金が変わるし、本当に水脈があるかも保証は無い。井戸を掘らなければ、家に巨大なウォーター・タンクを備え付け、水を配達してもらうようにもできるけれど、でも、「水」が好きな私は、どうしても自然から水をいただくよう、井戸にこだわっている。さてさて、、、どうなることか。

ところで、日本にもこういう「ウィッチーズ・トリック」のようなものはあるのでしょうか。まあ、今どき井戸のある家なんて珍しいでしょうが、、、。もしご存知の方がいらっしゃったら、是非教えてくださいね。





2009年5月4日月曜日

First Paddling of the Season




まだ岸辺に雪が残るユーコン川での初漕ぎ。

ホワイトホースのダウンタンから出発して3時間のパドリング。途中、更に北を目指す白鳥や渡り鳥が静かに羽を休める姿も見られた。頭上を飛ぶ白頭ワシも、時々聞こえてくる雪が川に崩れ落ちる音も、全てが夏の訪れを祝福しているよう。

私もこの季節、また川の上の人になる。笑顔。






2009年4月30日木曜日

スーパー・グリーン・ホーム





Lot 98。これが私の新たに手にした土地の住所。今、スプルースと松とポプラが生い茂るこの森に、家を建てる。来週から工事開始。まずは車道を入れ、下水システムを設置する。家を建てる場所の土地を掘り起こして開拓し、井戸を掘り、電線を引き、それから家の建築にとりかかる。木は、できるだけ切らずに残す。
零からの出発。家は、地元の建築家の友人がデザインしてくれている。今回は1軒目で、1階がカヌーなどの装備をいれる倉庫で2階は将来の収入のために、人に貸せるようレンタル・スイートにする。目標は、「スーパー・グリーン・ホーム」を建てること。必要最小限の広さで、壁の厚さを通常の2.5倍くらいにして保温性を高め、長い冬の暖房費の節約と温暖化防止に貢献する家にする。
この土地は、北にグレイマウンテン、南にゴールデン・ホーン・マウンテン、マウント・シマと、上手く建てれば窓から美しい山の風景を楽しめる家になる。
本当は、日本建築の要素も取り入れたいのだけれど、この1軒目ではそれは叶いそうにない。将来立てる「Dream Home」まで、畳の部屋や縁側、、、はお預け。
来週月曜から、カーハーツ(こちらで作業着として親しまれているブランド)・ファッション一色の日々になる。「家や宿は、寝るのと荷物を置いておくためだけの場所だからこだわらない」。旅を始めた時から、そういうスタンスできた私が、これからの1年間、自分の巣作りに励むというのは、自分でもちょっと不思議だけど、まあ、いいか。これから、この土地がどう変化していうかの報告をお楽しみに、、。何?手伝いたい?いつでも、どうぞ。
写真1:家の北東部分になる場所。これから、このオレンジのサーベイ・テープにはお世話になることだろう。
写真2:南向き。日当たりと眺めのいいリビングを作りたい。
写真3:密生したスプルース。ここに来週、車道が入る。木よ、森よ、ごめんなさい。なるべく、切らないようにします。


2009年4月21日火曜日

Home








日本では、仕事の一環として、もしくは仕事の合間をぬって、会いたい人たちに会ってきました。そこで付いてくるのがお食事とお酒。「折角日本に来ているんだから、食べたいものを言ってみい」という非常に親切な友人知人の言葉に甘え、あれこれ美味しいものをいただいてきました。

ただ、この冬ほぼ週7日スキーをして鍛えていた体には、実家以外の2週間のホテル滞在は厳しかったのも事実。友人の薦めでランニング用品一式がスーツケースにパックされていたものの、慣れない夜更かし(夜11時過ぎれば私にとっては夜更かし)の連続に朝は「寝れるだけ寝れる」ポリシーを貫き、結局皇居ランも実現せぬままカナダに帰国。

ということで、帰国後初の週末は、まだ時差ぼけも完全に取れないまま、しかし体力回復と久しぶりのウィルダネスを満喫するため、早速友人の車に飛び乗り、ユーコンとヘインズ・アラスカを結ぶヘインズ・パス(ヘインズ峠)でのバックカントリー・トリップへ。「ちゃんと登れるか」少し不安もあったけれど、目の前の純白の山々と頭上の青い空を見たら、もう元気。「上へ、上へ」という誘惑にかられ、吸い込まれるように登っていきました。

4月のスキーを私たちは「スプリング・スキー」と呼びます。真冬のマイナス15度、20度の世界で汗や寒さを心配しながらのバックカントリーとは打って変わり、最初からウールのアンダーウェア1枚で登り始めても汗をかくほどの気候に、私たちは自然と笑顔になります。頂上では、通常ダウンを着込む必要がありますが、4月は写真の通り。男友達はトップレスになり太陽を吸収中。目の前には何処までも続くセント・エリアス山脈群。この景色を1日中、4人占めにできるのがここユーコンの凄いところ。

日本でのプロモーション活動中、「ユーコンは、日本の1.3倍の広さで、そこに人口が3万人しかいないんですよー」というコメントを幾度となく繰り返してきた私。でもそれは、ここに来て、自分の身をその自然のど真ん中に置いてみて初めて、それが一体どういうことなのか分かることなのかもしれません。丁度、私が朝8時、赤坂見附から必死の思いで乗車した地下鉄で潰されそうになったり、日曜夕方の原宿駅で電車に乗るのに30分押しつ押されつの列に並び、東京の人口密度を改めて実感したのと同じように、、、。

2週間前は、六本木ヒルズの52階から、あの人間が創造した都会の風景を見下ろしていた私。今は、そのほぼ対極の風景を持つユーコンに帰ってきた私。4月9日でユーコン在住14年目に突入。その両方の風景と自然、そこに暮らす人々に「ただいま」と言える人生に感謝。