2010年4月29日木曜日

View


この時期、ホワイトホースの日照時間はグングン延びます。

日によっては、1日あたり6分。目を見張る変化です。


ベッドに寝た状態での目の高さに設置したベッドルームの窓。朝、目覚めた時に最初に見る風景。山とスプルースというのは、ユーコンの象徴的な景色です。


一昨日、窓から射し込む光に目を覚ますと、空が真っ赤に燃えていました。

時間を見たら、午前5時。しばらくその色を楽しんだ後、「また、寝付けますように」と目を瞑って祈りました。


毎朝、この風景を楽しみにしています。

ただ、暗くないと眠れない私。夏に向けていつまでカーテン無しでいけるかが疑問です。これは、今年の新しいチャレンジかも!?




2010年4月24日土曜日

The Last Backcounty for the Season












日本から帰って2日目。まだ時差ぼけでダルイ私に届いた友人からのメール。
「ロートン氷河への2泊3日のバックカントリー・トリップにおいで」

日本で美味しいものをたらふく頂いてきた上、運動不足でもある体に、いきなりこの旅はどうか、、、とも思えたけれど、恐らく、これが今シーズン最後のバックカントリー・スキーの機会。しかも、去年から仲間内で話題にでていたロートン氷河。とりあえず「行く」と返事し、土曜から月曜にかけての予定のため、戻ってきていきなりだけれどと、仕事先に1日の休暇を申請。まだスーツケースも片付いていないのを横目に、寝袋などを引っ張り出してザックに詰めこみ、バタバタと出発。

予想通り、下の方はもう殆ど雪がなく、所々スキーをザックに縛り付けて歩かなければいけなかったけれど(これが非常に重いし、森の中ではバランスを取るのも難)、久々に北の景色と空気を堪能。「帰ってきた」実感が湧く。

テクテクとスキーブーツで、スノーシューで、スキーで歩き続けて8時間。目的の氷河はどっしりと構えた姿で私たちを待っており、所々キラキラと青く輝いていた。

日本で、「ユーコンは日本の面積の1.3倍で、そこに人口が3万人ほどしかいないんですよ」と繰り返し話をしてきた私。でも、このスケールと感覚は、やはりここに実際に自分の身を置いてみないと分からないかもしれないと思う。

これで、名残惜しいけれど今シーズンのスキーは終了。次は、ロードバイクを引っ張り出し、その次がマウンテン・バイクで、5月下旬にパドル、、、。夏がやって来ます。

2010年2月25日木曜日

発展途上

今、寝る前に読んでいるのは小澤征爾著の「僕の音楽武者修行」。
音大を出た小澤さんがスクーターと共にヨーロッパに渡り、フランスで生活しながら指揮者としてのキャリアを築き始めるところから物語は始まります。

以前、沢木耕太郎さんの本の中で、「自分より若い人の書いた本を読まない」というようなことが書いてありましたが、考えてみたら、私もそう。ただ、だからと言って私は、色んな分野で活躍していたり、大成した人々のその成功の話ではなく、その人たちが若かりし頃に悩み、模索し、行動を起こしていったその「過程」を読むのを好みます。

野田さんの本で一番好きなのは「新 放浪記」、植村さんは「青春を山に賭けて」、沢木さんは「深夜特急」。立花隆の「青春漂流」も大学を出る頃に夢中で読んだ記憶があります。

植村さんを題材にした映画でも、演じているのは西田敏行にも関わらずすっかり感情移入し、植村さんが「僕も皆みたいに仕事を持って生きていった方がいいのか」というような台詞を言った時には、「植村さんみたいな人でも悩んだんだ」と、若かりし当時、「アラスカに、北に帰りたい」という思いと、就職した方がいいのだろうかという迷いの狭間にいた私は、もう涙が止まらなかったのを覚えています。

しかし、そんな「悩める時代」をとっくに通り過ぎているべき(「べき」という言葉はあまり好きではないですが)年齢に達しても、相変わらず発展途上のストーリーに魅力を感じ、「うん、うん」と頷いている私は、どこかまだ成長しきれていないのか、、、。高校時代に先生に言われた「熊谷は夢見る夢子だから」という言葉が思い出されます。

もっと合理的に、賢く、ちょっと計算して要領良く生きなきゃと思いつつ、、、。
昨年、沖縄を旅した際に出会った波照間島に暮らすおじさんの言葉。「自分の本質に逆らっては生きられないんだからな」。

「自分」と「自分の芯」にもう少し自信と信頼を持てたら、また、昔のようにふっ切れるのかもしれません、ね。

*それにしても、ハードコアな「男の人生」ばかり読んでますね、私は、、、。本棚に、女性作家の書いた本が殆ど無いというのも、いかがなものでしょうか、、、。

2010年2月13日土曜日

Olympic

いよいよ、始まりますね。
正直、普段はあまりこの手のイベントに縁がない私。前回の冬季オリンピックなんて、一種目も見ていないかもしれません。大きな理由のひとつは、TVを持っていないこと。だから、いつもはせいぜいメダルの数を新聞で知るくらいです。

でも、今年は少々状況が違います。新しい家には初めて購入したTVがあるのです。もちろん、冬に映画(DVD)を見るためだけが目的なのですが、丁度、地元のケーブル会社が私の家を建てたエリアに6ヶ月間の「フリー・ケーブルTVサービス」をオファーしていたものですから、これからの6ヶ月間はTVも見ることができます。ケーブルを繋ぎに来たお兄さんが「今までTVを持ったこともない人が、なんでケーブルを入れることにしたの?」と聞いてきたので、「無料だから」と正直に答えた私に苦笑。この辺のちゃっかり根性は抜けておりません。

というわけで、今年はバンクーバー開催ということもあり、いつもよりオリンピックに興味が沸いております。本当は通訳か何かの仕事があれば、現地に行ってボランティアでも、、、と思っていたのですが、ボランティアをするにしろ、自分で住む場所を確保しなければいけないという条件を知り、あきらめました。ので、家で大人しくTVで楽しみます。

私の友人たちの間でTVを持っている(ケーブルを持っている)のは私だけ。友人たちも「時々、見に来ていい?」「Olympicの間は、Yoshiの庭にキャンプしようかな」と、まるで初めて近所の家にTVが入った時代のようなノリになっています。

応援するのは、もちろん日本とカナダ。楽しみですね!

*ところで、私のTV、Samsung製です。こちらに住んでも電化製品は日本製、、、をモットーにしていた私が色々な事情でSamsungを購入することに。お店の人にも「SonyよりSamsung」と言われ、学生時代に、特にSonyを拝むような立場にいた私には、ちょっとショック。友人たちの会話でも、「部品まで自国で作っているのはSamsungくらい。TVはこのブランドがベストだ」とのこと。今回のToyotaの件といい、海外での日本製の製品に対する信頼性(Toyotaなんて、「故障しない」という伝説めいたものがありましたから)がちょっと失われてきているのが悲しい。オリンピックだけでなく、製造業分野でも、「頑張れ、Nippon!」と言いたいところです。

2010年2月9日火曜日

Backyard


















週末は、ホワイトホースから車で約30分の郊外に住む友人の家に遊びに行き、彼らの「裏庭」でスノーシューを楽しんできた。

その「裏庭」の風景は写真の通り。彼らの持つ土地の広さは15エーカー(日本では何に換算するのが一番分かりやすいのだろう、、、。坪だと18,363坪)だけど、だからといって彼らの敷地が柵に囲まれているわけではない。彼らの家の辺りには、彼らが作ったスノーシュー・トレイルが延々と延びており、昨日散策したループは、周るのに1時間半かかった。



「昨日は、リビングの窓の下にムースの親子が遊びに来ていてね、、、」リンの話を聞いていたら、案の定足元にフレッシュなムースの糞。



写真家のポールが立ち止まって何か真剣に撮影していると思うと、そこにはリンクス(オオヤマネコ)の足跡。ここに10数年暮らして、まだリンクスの姿を自然の中でみたことがない私。ポールは「この辺りには今約8匹いて、時々姿を見かけるよ」と言う。遠い湖まで延びるその足跡を見て、力強い手足で慎重に、そして自由に歩き回るリンクスの姿を想像する。



スキーで冬の森を駆け抜けるのもいいけれど、こうしてスノーシューを履き、ゆっくりしたペースで森を散策すると、いつもよりそこに暮らす動物たちとの距離が近く感じられる。



2月上旬にして+1度。透き通った青空の下、笑顔の日曜日を過ごした。

2010年1月26日火曜日

Today

いつも、楽しいこと、好きな友人たちのこと、きれいな場所、感動した瞬間、、、と、ポジティブなことばかりをブログに書くけれど、生きていればやはり辛いこともたくさんある。

よく、ここの友人と話すのは、「人とのコミュニケーションは人生最大のチャレンジ」だということ。一時期、特に大学時代は、自分の好きな空間で好きな友人とだけ付き合っていればいいこともあった。でも、今はそうもいかない。地域に関われば関わるほど、人間関係は広がり、そこには出会いの喜びもあるけれど、そうでない挑戦も生まれる。

今日、心にずっしりくる出来事があった。
その相手が、何故私に今、そのメールと写真を送ってきたのか、いくら考えても分からない。私が逆の立場だったら、絶対にしないこと。受け取る相手の気持ちを考えれば、絶対に送らないメール。意図的に、心を傷つけるために送られたメール。人は、場合によってこんなにクールになれるものか。

自分に無い、いいものを持つ人に出会うと、もっと知り合いたいと思い、そういう部分を学べればと思う。小さなステップかもしれないけれど、自分の弱点、改善すべき点もある程度認識し、自分を磨くために努力しなければという気持ちは持っている。だからこそ、今日のような出来事が起きると、これは自分のカルマなのか、一体自分が何をしたのだろうと疑いたくなる。

落ち込む私を見て、友人のディランがスノーシューに行こうと誘ってくれた。自分が見つけた秘密の渓谷を見に行こうという。夕焼け空の下、1時間ほど森を歩くと、そこには沈んだ心にも響く風景があった。「私、ちょと叫ぶから」。目の前に広がる山に向かって、お腹の底から叫ぶ。きれいな景色に向かって言う言葉ではないかもしれないけど、雄大寛大なユーコンの森はきっと許してくれるはず。ちょっと、スッキリした。

前を向いて行くしかない。

2010年1月19日火曜日

Powder













快適な家を建てたから、これからの週末は家で薪割りしてれば満足、、、というわけにはやはりいかない。

雪不足に苦しんでいたユーコンにも、ようやく冬の女神が降りてきた。先々週末のドカ雪を受け、早速友人たちとユーコンとアラスカの国境があるホワイト・パスに1泊2日のウィンターキャンプ、パウダースキー三昧に出かける。

どっさり雪が積もったスプルースの森は、深々とした静けさ。微妙なバランスで雪をたたえる枝はそれぞれに個性を持った姿をし、いくら眺めていても飽きない。ウィンター・ワンダーランドに、私たちは吸い込まれるように足を踏み入れる。

今年初のバックカントリーで、息を切らしながらもグングン登る。タフな友人たちが先頭を切って雪を踏み固めてトレイルを作ってくれる。雲が切れ、雪山が顔を出す。「私たちは、何て美しい所に暮らしているんだろう、、、」私がしみじみ言うと、シャノンが「Yoshiはいっつも自然に感謝感嘆するよね」と言って笑った。そう。ここに何年住んでいようが、この景色を何度見ようが、その瞬間瞬間、自分がそこにいることに感謝せざるおえないほどに、ここは美しい場所だと思う。

そして、その場所を更に素晴らしい場所にしてくれるのが、こうして一緒に冒険できる友人たちがいること。写真でも分かるように、寒かろうが、ちょっと不便だろうが、皆、いつも笑顔。自分が好きなことをしているのだから当たり前かもしれないけれど、やはり皆でこういう楽しい空間を作り出せるのは、それぞれがポジティブで、それなりの経験と自信と目的があるからだろうと思う(いや、私のスキーの腕の話ではないけれど)。
ジョージが、「脚が痛いー」と叫びながら滑り降りてきた私に聞いた。「How's your life?」「Just lovely」

幸せは、シンプルな場所と瞬間にある。私は、そう思う。