2010年2月25日木曜日

発展途上

今、寝る前に読んでいるのは小澤征爾著の「僕の音楽武者修行」。
音大を出た小澤さんがスクーターと共にヨーロッパに渡り、フランスで生活しながら指揮者としてのキャリアを築き始めるところから物語は始まります。

以前、沢木耕太郎さんの本の中で、「自分より若い人の書いた本を読まない」というようなことが書いてありましたが、考えてみたら、私もそう。ただ、だからと言って私は、色んな分野で活躍していたり、大成した人々のその成功の話ではなく、その人たちが若かりし頃に悩み、模索し、行動を起こしていったその「過程」を読むのを好みます。

野田さんの本で一番好きなのは「新 放浪記」、植村さんは「青春を山に賭けて」、沢木さんは「深夜特急」。立花隆の「青春漂流」も大学を出る頃に夢中で読んだ記憶があります。

植村さんを題材にした映画でも、演じているのは西田敏行にも関わらずすっかり感情移入し、植村さんが「僕も皆みたいに仕事を持って生きていった方がいいのか」というような台詞を言った時には、「植村さんみたいな人でも悩んだんだ」と、若かりし当時、「アラスカに、北に帰りたい」という思いと、就職した方がいいのだろうかという迷いの狭間にいた私は、もう涙が止まらなかったのを覚えています。

しかし、そんな「悩める時代」をとっくに通り過ぎているべき(「べき」という言葉はあまり好きではないですが)年齢に達しても、相変わらず発展途上のストーリーに魅力を感じ、「うん、うん」と頷いている私は、どこかまだ成長しきれていないのか、、、。高校時代に先生に言われた「熊谷は夢見る夢子だから」という言葉が思い出されます。

もっと合理的に、賢く、ちょっと計算して要領良く生きなきゃと思いつつ、、、。
昨年、沖縄を旅した際に出会った波照間島に暮らすおじさんの言葉。「自分の本質に逆らっては生きられないんだからな」。

「自分」と「自分の芯」にもう少し自信と信頼を持てたら、また、昔のようにふっ切れるのかもしれません、ね。

*それにしても、ハードコアな「男の人生」ばかり読んでますね、私は、、、。本棚に、女性作家の書いた本が殆ど無いというのも、いかがなものでしょうか、、、。

11 件のコメント:

ayane9 さんのコメント...

熊谷さん
こんにちはm--m
読書ですか~!
最近本読んでないな~><
今の仕事(介護)が忙しいから
中々読めない><
少し余裕出たら読んでみよう。
先ずは、鈴井さん(ミスター)の書かれた
『ダメ人間 〜溜め息ばかりの青春記』
を読まなきゃw

熊谷さんも体調には気をつけて
下さいねm--m

いつも楽しみにしてますよm--m

らぐじ~ さんのコメント...

夢を実現している人はすでに“夢見る夢子”さんじゃないってことじゃないんでしょうか?見事に成長しているってことですよ。
あ、でも、まだまだ実現したい夢はいっぱいあるんでしょうね。
私なんかは“石橋を叩いて叩いて壊して渡れなくなってしまい”ますから…成長どころか退化してます。

大阪は昨日、今日となんと20℃ですよ!

Sweet River さんのコメント...

ayane9さん

ありがとうございます。私の方は寝る前に10分でも本を読む時間を作るようにしています。

らぐじーさん

2月で20度は凄いですね。3月下旬に日本でスキーに行く予定なので、雪が残っていることを心から願っています。

「夢」は常に持ち続けていたいと思いますが、新しいことばかりに目を向けるのではなく(面白いことを見つけるのは得意なのですが)、今に満足することや受け入れること、持続させることも学ばないといけないなーと思っています。石橋の叩き方のコツ、今度教えて下さいね。
*ちなみに昨日は、私の家に泊まった友人に薪割りのコツを教えてもらいました!

三苫 かおり( さんのコメント...

はじめまして 熊谷さん 京都の美山のばくパパさんのブログから、こちらを知りました。福岡ご出身と、彼の文にありましたので、私も、福岡出身で、今は北海道で宿をやっております。10年たちます。

 カナダですかーうらやましいです!

Sweet River さんのコメント...

三苫さん

コメントありがとうございました。
南富良野ですか。。「北の国から」をオンタイムで見て育った世代なので、昔から「富良野」は憧れでしたので、私も一度、北海道を旅した際に南富良野のペンションに滞在しました。

三苫さんも福岡ご出身とのこと。ここ、ホワイトホースに長年在住している少数の日本人の中にも、私ともう一人、福岡出身の方がいらっしゃいます。南で育つと、北に憧れることがあるのでしょうか。以前、北海道の方とお仕事をさせていただいたことがありましたが、その方たちは「僕だったらハワイに行きたいけどね!」とおっしゃっていました。

富良野はまだまだ雪深いのでしょうか。

これからも宜しくお願いいたします。

koza さんのコメント...

「自分より若い人の書いた本を読まない」

以前、私も同じ話をした記憶があります。

読書の幅が狭くなるので、読んでは見るのですが、どうも・・・。

最近はBOOK OFFやネットで自分の好きな作家のまだ読んでない本を探して読んでます。要するに古本ですね。

10年に一度、スーパースターが出てこないとその業界は低迷すると誰かが言ってましたが、小説では村上春樹以降、カヌーでは野田知祐以降、スーパースターは出てこないですね。

Sweet River さんのコメント...

Kozaさん

ここ数年は、日本で本屋さんに行っても知らない作家さんばかりでどうしていいか分からず、父に電話して「最近読んで良かった本を教えて!」と聞くしかない始末です。多分、古本屋さんに行ったほうがいい本が見つかるのかもしれませんが、なかなか郊外に足を延ばす機会がないので、、、。

ネット活用もいいのでしょうが、私は本当にこういうエリアに関しての要領が悪いので、どう検索すれば自分の好みにある分野を見つけることができるのか分からず、いつの間にかギブアップしています。でも、今度日本に帰る前には少し時間を費やしてみます、、、。

「これを読んでみるべき」というお勧めがあったら教えて下さいね。

polarlight さんのコメント...

私もいろいろな人の生き方には興味があって、「青春漂流」は興味深く読みました。
最近読んだ面白かったのは、高野秀行「放っておいても明日は来る 就職しないで生きる9つの方法」。
本人はそれを目指して生きてきたわけではないのに、巡り巡って辺境ツアーのコーディネーターになったり、屋久島のガイドになったり、プロの女性ムエタイ選手になったり。
 人生に真剣に向き合うって感じじゃないかもしれませんが、
読むと、したたかに生きる勇気が湧きます(笑)。

MOSCOWT さんのコメント...

熊谷さんはじめまして。

久々に「水曜どうでしょう」のユーコンの旅の様子を視聴する機会があり、
「熊谷さんやピートたちは元気だろうか」
と思いまして、ブログを拝見した次第です。今頃は日本にいらっしゃるのでしょうか。
読書は私も好きですが、やはり本を選んだりする時間がないです。
読書好きの友人が、読み終えた本を貸してくれるので助かっています。自分ではおそらく購入しないジャンルの本が多いので、人が選んだ本を読むのは実に新鮮です。
なんだか暖かくなってきたので、椎名さんの「あやしい探検隊」を読みたくなりました。

Sweet River さんのコメント...

polarlightさん

丁度、日本に帰国中なので、教えていただいた本、探してみますね。助かります。本屋さんに行っても、数の多さに消極的になり、結局知っている作家さんの本や、昔読んだ本などをもう一度読むために買ったりするばかりなので。ありがとうございます!

MOSCOWTさん

始めまして。コメントありがとうございます。お察しの通り、今、日本です。

姉から、今日の「いいとも」に大泉さんが出演されるという情報が入りましたので、今から1時間後、TVをつける予定です。久々に大泉さんの軽快なトークに笑わせていただけることを期待しています。

ところで先日、京都で外国人バックパッカ-が多い「安宿」に宿泊しましたところ、管理人の若い男性から「僕、熊谷さんのこと知ってます」と言われ、ここでも「どうでしょう」ですか!と驚きました。

ピートも、きっと元気だと思いますよ。彼はホワイトホース郊外に住んでいるので、あまり町などで出くわすこともありませんが、2年前の夏に偶然一緒に仕事をした時に大泉さんの活躍を伝えたら、嬉しそうにしていました。

これからもどうぞ宜しくお願いします。

kenta さんのコメント...

始めまして!熊谷さんと同じ苗字の、熊谷健太と申します。

実は1年程前から、水曜どうでしょうを見て熊谷さんに一目惚れしてました!あの方はどんな方なんだろうと常々思っていましたが、まさかこんな場所があったとは……。
更新されてないようで心配だったのですが、コメ欄にいらっしゃるようで安心しました。

本ですけど、森博嗣さんの「自由を作る自在に生きる」をオススメします。
それでは、また覗きますね。